検査技術の発展:序章

検査とは、医療における疾病等の診断・治療に重要な位置を占めていることは周知のことだと思います。診断には、インビボ(In Vivo)診断と称される体内診断があり、主としてMRIやCT、最近ではPETなどの機器装置が汎用されており、人体の異常部位を検索する目的で使われております。一方、インビトロ(In Vitro)検査と称される、主に血液などの体液を用いる検査があり、体外診断薬または検査薬によって血液中のいろんな因子を測定して、その値の変動によって異常を調べる目的で使われています。

治療薬に比べ、診断薬(以下検査薬)は、その構成キットの機能が担保されることがポイントであるため、その機能の品質保証は極めて大切であり、検査薬の製品化には常に苦労が伴っているのです。

本コラムでは、これまで著しい発展を遂げてきた検査の技術面に焦点をあて、少しでも温故知新の一助となることを願って、その進歩の一部を振り帰ってみます。技術本体ではなく、その生まれた背景について紹介をしてみたいと思います。

検査技術のインビトロ検査について①ラジオイムノアッセイ法、②モノクローナル抗体産生、および③遺伝子増幅PCR法は、今日、検査薬の主要技術の礎となっています。

さらにインビトロ検査機器④MRIや高感度測定機器⑤MSは、現在、汎用で利用されています。 これらの技術がエポックになり、次図に示すように後年、ノーベル賞を受賞することになります。次回から年代を追って、特に研究者の工夫・苦労など、どのようにして技術が生まれたかその背景をシリーズとして簡単に紹介します。(図1;時間横軸。上段;技術の発明・発見。下段;ノーベル賞受の受賞者)

コラム岡田1-1